フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~
- 作者: ジェニファー・L・スコット,神崎朗子
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2014/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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立ち読みしたら面白かったので買ってしまった。じつは女性向けの本なので、男が読んでいるとキモいかも知れない。
でも、男が読んでも面白い。
本の趣旨はフランス人は普段からオシャレやマナーに気をつけて良い品物を惜しげもなく使って毎日の生活を楽しく過ごしている、というもの。
日本でも、古い人間は身だしなみに気をつけるけれど、最近の若者、最近では年寄りもだらしないスエットを着たりして、内と外の区別をつけない。
フランス人はベッドルームから出ると立派なガウンを纏ってちゃんと人に対する装いをするらしい。
近年の日本やアメリカの思想に、堅苦しくないのが良い、というのがある。手軽、便利、快適、こんな思想が蔓延していると思う。
だから、家でも楽な格好。外でも楽な格好。見栄えやオシャレは特別なときだけ、となる。最近では特別なときでさえだらしない格好をしているものがいる。というか、カッチリしたものを持っていないらしい。
堅苦しくない、というのは悪くないが、度が過ぎるとだらしなくなる。
普段から良いものを着て、テーブルセッティングなどをするのはプチブルの悪趣味だという。そんなプチブル主義が一昔前まで流行っていたのは、またフランスで行われているのは、ブルジョワへの憧憬みたいなものがあってなのだろうか。
日本は一億総平民、世界で唯一成功した社会主義国、などといわれるように、組織的にブルジョワを否定してきた。だから、ブルジョワ趣味は悪趣味となり、反ブルジョワ的なものが流行った。先日の語感ではないが、そもそも、ブルジョワという響き自体に鳥肌が立つようになった。
この本に言わせると、普段から立派な生活をすることは、自分をそれだけ立派な生活に値する人間と認めることであるらしい。逆に、だらしない暮らしは、自分がだらしない人間と認めることである。
衝動買いした本だがおもしろかった。