文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

めっちゃ面白い夢を見たはずなのに……っ!

お題「最近見た夢」

 

一昨日くらいに見た夢が異様に面白かった。

ミステリー仕掛けになっている上に、ループ物になっていて、壁に掛かった不気味なお面と地震が、様々な記憶を引き起こしていくのだ。

記憶はないのだけれども、なにかの表紙にループだと気づく。今まで注目していなかったオブジェが、突然ヒントになったり。

 

これは面白い! ベストセラー小説間違いないし! と目覚めてすぐに書こうとするが、様々な邪魔が入り、あれよあれよという間に記憶を失っていく。本当に、砂が指の間からこぼれ落ちるように、夢の記憶が失われていく。

ああ! なんてこった! と地団駄を踏んでいるところで、本当に目が覚めた。

 

夢の中で夢から覚めたのだ。だから、あの面白い物語は、夢のまた夢、ということになる。夢を見ていたときは大興奮だった。まだ、いくつかのシーンは覚えている。でも、それは断片的で、話の筋は完璧に忘れてしまった。ひょっとすると、そんなもには最初からなかったのかもしれない。夢の中で、面白い、という感情だけ芽生えたのかもしれない。

 

この日は珍しく、酒を飲まないで寝たのだ。だから今から、酒を飲まないで寝ようと思う。

つらさが世界を美しく見せるのだろうか

 人生がきわめて悩み多く、不可思議で苦しいものであるのは、心や精神が脆弱だからであろうか、それとも、世界そのものが、悩みをもたらすものを内包した存在だからだろうか。

だが、人生は喜びも多く、それは心が楽観的だからだろうか、それとも、世界は喜びを内包した存在だからだろうか。

不思議なもので、苦しみが大きいほど、喜びの味わいも深く、自然はより美しく、人々の優しさを感じる。寒風の日が続くと、柔らかく暖かい日差しだけで有り難く思えてくるものである。

神はとてつもなく面倒くさい人間というものを創ったのか、それとも、人間にとって面倒くさい世界を創ったのか。

美しい日本の私が図書館に置いてあったので借りた。
川端は、一休の自殺願望や芥川の自殺の例を出して、死を思ってこそ世界が綺麗になる、ようなことを言って、しかし、自殺には賛同できかねる、とも述べている。そんな川端も4年後自殺する。

 

 

美しい日本の私 (講談社現代新書)

美しい日本の私 (講談社現代新書)

 

 

 

一草一花 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

一草一花 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

 

 

西洋をモノサシにしていた時代 


川端康成氏を囲んで 三島由紀夫 伊藤整1|3

 

川端について調べていたら、三島由紀夫伊藤整との対談動画を発見した。ノーベル賞を受賞して数日後とのことだ。

この座談会で印象に残ったのは、日本語や東洋であるということをことさら意識していると言うことだ。

川端は、翻訳で受賞したなら、厳密な意味では受賞を辞退するべきだったのかもしれない、などと述べている。 

そして、三島も伊藤も、いかに西洋の文学と川端文学が別物であるか、そのことばかりを論じている。

いま、日本人作家の文学と、海外の文学を、単に西洋東洋で分類することはしないだろう。しかし、この時代はそうではなく、西洋文学をある種の物差しにして、川端文学を論じている。そこが興味深かった。

 

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美しい日本の私 (講談社現代新書)

美しい日本の私 (講談社現代新書)