日本文学館を出ると怪しい洋館が現れる。
加賀百万石の邸宅である。
正面玄関。
「格差是正」の声が尻すぼみになるような格差を突きつけられた。
でかすぎる。今は東京都の持ち物らしい。見学は無料。靴は脱がなければならない。
一階はパーティーが出来る感じ。
二階は書斎とか、寝室とか、長女、次女の部屋とか。
これが私邸である。昔の格差は半端なかった。
平等のパラドクス、というのがあって、人間は平等に近づけば近づくほど、小さな差異が気になり不平等を感じるようになる、という理論だ。
もう少しで勝てそうだな、とか考えると努力や煩悶のしようもあるが、圧倒的な力の差の前では、諦める以外ない、そんな感じ。
庭は現在公園になっているが、往時は築山でスキーをしたり、乗馬を楽しんだりしていたという。
ちなみに、この洋館の横には和館も建てられている。もちろん、立派な建物であることは言うまでもない。
わたしは洋館で目眩がしてきたので和館のほうは行かなかった。
諸賢も日本近代文学館に行ったら、絶対に寄った方がいい。格差を痛感するべし。
ちなみに、日本近代文学館が建っているところは、前田邸の厩と温室があったところだ。
恐るべし。華族。