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小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

遺伝子検査の広告 時代はここまで進んでいる

わたしの電車に乗る楽しみの一つは、面白いコピーを探すことである。

コピーはイメージ戦略なので、コピーを見た瞬間に商品が分かる必要はない。むしろ、分からなくていい。「お? 何のことだろう?」と注意をひいて、本文へと引っ張るのがコピーの役目だ。

今回目をひいたのがこのコピー。

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「知らない私より、知っているわたしに。」

最初は、どうせまた大学の宣伝だろうと思ったが、どうも雰囲気が違う。近づいて確認すると、なんと遺伝子検査の宣伝である。憶測だが、最初のワタシを漢字一文字で記し、次のワタシを平仮名にしたのは、遺伝子を開いたイメージなのかもしれない。肝心の広告の内容は、

「遺伝子検査をして、自分の病気や体質を調べよう」

というもの。背筋が凍った。ガタカの世界を思い出した。もし、遺伝子検査で病気や能力の傾向が本当に判明してしまったら、企業や大学は、履歴書と一緒に遺伝子検査の結果を添付するように要求するだろう。例え政府がそれを禁止したとしても、政府や警察が遺伝子情報を活用するのは見え見えである。通信の秘密だって、犯罪防止の前では丸裸だ。

例えば警察官採用試験でも、「臆病の遺伝子」を持ったものは不採用、とか、病気リスク遺伝子で保険の金額が変わったり(調べたらすでに準備済みだった)。最近、車関係の事故が多い。免許更新時に遺伝子情報提出義務化などは、悲劇的な事故が増えれば増えるほど、その圧力は高まるだろう。

わたしはいずれガタカの世界は訪れると思っていた。だが、こんなにも速く訪れるとは。

技術の発展は手放しで礼讃できるものではない。原子力爆弾等、この世には生まれなければ良かった技術が山ほどある。しかし、技術の進歩は人類が存在する限り、避けては通れない宿命である。

もちろん、悪い面ばかりではない。遺伝子検査で病気の早期発見が本当に可能になるかもしれない。この広告のサイトを覗いてみたが、主にその趣旨だ。ただ、身長や体重、髪の太さ、などの項目もある。我が子に試したくなる親は多いだろう。検査キットはネットでも注文できるし、ビックカメラサンドラッグでも買えるらしい。検査キットに唾液をいれて送り返すというもの。唾液さえ採取できれば敵の調査も可能だ。

というか、調べたら遺伝子検査キットは世に溢れていた。検索をかけたらザクザク出てきた。DHCなどはハゲ遺伝子検査と一緒に「ハゲ遺伝子用サプリ」も販売していた。いかにわたしが世事に疎いか思い知らされた。ガタカの世界はとっくに来ていたのだ。

我々は便利な世の中を享受するならば、恐怖もしなければならない。遺伝子操作も時間の問題である。

 

 

 http://mainichi.jp/articles/20160402/ddm/001/020/186000c

遺伝情報、保険に活用検討 病気リスクで料金に差も

ポルボローネを食べた

ボロネーゼはミートソースである。

 

ポルボローネはスペイン、アンダルシア地方のお菓子である。

味は小麦粉&砂糖のオーソドクスなもので、食感はクッキーが脆くなったような感じ。

普通に出されたらどうってことはなく、何の意識もなしにパクパク食べてしまいそうであるが、「スペイン、アンダルシア地方の特別な祭りで供される菓子」などと言われると、急に有り難くなるから不思議なものである。

スペインには魅力的な地名が多い。ジブラルタルバレンシアサラマンカグラナダ、etc。名前だけで行きたくなってしまう。

日本の地名も外人からすると魅力的なのだろうか?
Tokyo Chiba Saitama Kanagawa
日本人からすると、あまりパッとしないが。

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アトランティスのこころ を観た

 

アトランティスのこころ 特別版 [DVD]

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スティーブン・キングの作品。原作を読んでいないのでわからないが、原作とは相当違うらしい。名脇役のデヴィッド・モースが出ている。確かに名脇役で、演技は完璧に見えた。おそらく、完璧すぎるところが玉に瑕なのかもしれない。上手すぎて気になる、のである。

作品はデヴィッド・モースの子供時代の回想。ただそれだけ。回想の中ですごいことが起きるわけでもなく、ちょっとした超能力が使えるおじいさんが出てくるだけ。

それでも、この作品は面白い。子供の頃のことを思い出させてくれる。ああいう森で遊んだよなぁ、とか。たぶん、アメリカ人ならわたしよりももっと楽しめると思う。

超能力じいさんが悪の組織に誘拐されるわけだが、本来ならそこが気にならなくてはいけないはずなのに、この作品はじいさんが組織に誘拐されたところで終わる。そして、主人公も観客も、そのことが気にならないという不思議な作品。

大好きなじいさんが目の前で誘拐されるのだから、主人公はもっとショックを受けてもいいはずなのに、「テッド。あんたのおかげでおれは大人になれたぜ」とか呑気な回想をしている。

不思議だけど、観ていて苦にならない作品。

 

原作はこちら↓

 

アトランティスのこころ〈上〉 (新潮文庫)

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