ネタバレ有り
役所は討ち入りの前日、遁走する。
多くの旧赤穂家臣が、命惜しさの遁走と言うが、じつはそうではなかった。役所は大石内蔵助の隠し子を育てるという使命をおびて遁走したのだ。
だが、この設定、どうなのだろうか。
もともと、役所は大石家の家人。故に、大石の命令に従うのは仕方がない。ただ、これはあくまで大石家の話であって、他の赤穂家家臣連中にしてみれば、どうでもいい話なのではなかろうか。
大石内蔵助に世話になったというのはわかるが、隠し子を育てるために遁走した役所も、また遁走させた大石も、それほど褒められたものではないと思うのであるが。
しかも、役所は大石の隠し子を茶屋家に嫁がせると、「使命を果たした」と切腹してしまう。
いやいや、カネ様の身にもなってみろ、と言いたい。祝言当日、親代わりに育ててくれた役所が切腹、むしろ嫌がらせのレベルである。
「拙者は武士で御座る」
何度も言っていた。
お武家様のお考えになることはようわからん。