ながい。索引まで入れると613ページある。
社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学
- 作者: ジョナサン・ハイト,高橋洋
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2014/04/24
- メディア: 単行本
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まだ65ページまでしか読んでいないが、深化心理学的なアプローチで道徳を扱う。
本書現代は「The Righteous Mind」で、副題が「Why Good People Are Divided by Politics and Religion」である。
元来道徳は生得的か後天的かというくくりで扱われていたが、近年は「合理的判断」という三つ目の問題について分析している。
道徳のテストは簡単なストーリーを用いて行われる。
「制服の着用が義務づけられている学校で、私服で登校することは正しいか」
「ブランコで遊んでいる少年を押しのけて、ブランコで遊ぶことは正しいか」
などのストーリー。
1番目の「制服の着用が義務づけられている学校で、私服で登校することは正しいか」は、普通の人は「正しくない」と答える。しかし、「先生が私服で登校してもよい」といった場合は、「正しい」と答える。
2番目の「ブランコで遊んでいる少年を押しのけて、ブランコで遊ぶことは正しいか」というといも、普通の人は「正しくない」と答える。しかし、こちらの問いの場合、先生が「前に遊んでいる人間を押しのけて遊んでもよい」といった場合でも、「正しくない」と答える。人は「人を傷つける行為は正しくない」と判断する。
その他にも、インド人とアメリカ人で道徳律の基準の変化。また、富裕層と貧困層での道徳律の変化なども興味深い。
富裕層、教養ある人々は道徳と慣習を区別する。しかし、貧困層、無教養の人々は道徳と慣習の区別がつかない。