文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

AIの開発をやめなければ、AIは人類を滅ぼす

例えばニック・ボストロムなどは、この動画の中で、AIに人間的な倫理観を備えさせなければならない。と言っている。

 

www.ted.com

 

だがまてよ? 我々がAIにイメージする、それこそ人間的な人工知能は、多彩なはずだ。例えば人間のように。

 

もし、道徳的な人間しか存在しなかったら。そんなのは我々が知っている人間界と異なる。

 

だから、人間的なAIはそれこそ十人十色で、道徳的なAIもいれば、非道徳的なAIもいる。人間と共存を選ぶAIもいれば、そんなのは全く気に掛けないどころか、人間がゴキブリを忌み嫌うように、人間を忌み嫌うAIも出てくると思う。

 

ボスとロムは面白い命題をだす。

「今、チンパンジーは人間に迫害されている。なぜ、チンパンジーは人間が生まれ始めたときに、人間のスイッチを切らなかったのか?」

 

我々も同じ命題に数十年後悩まされるかも知れない。なぜ、人間はAIのスイッチを切らなかったのか。

 

わたしの答えはこうだ。チンパンジーはそれを善しとしたから、人間のスイッチを切らなかった。わたしも、人間より優れた存在であるAIが人間を迫害すること。個人的には嫌であるが、宇宙的観点から、それは善いことだと思ったりもする。

彼女は外国人、いや、わたしが外国人、いやいや、両方日本人

先日会議が成田のホテルで開催された。成田のホテルは当然外人ばっかり。欧米人や黒人もいるが、中韓系がほとんどだ。だから、ホテルの従業員はまず日本語で話しかけて、反応がいまいちだと英語で話す。

ホテルから駅には直通バスが出ている。わたしは前の方に並んでいたので、窓際の席に一人で座った。最初はガラガラだったが、じきに人がたくさん乗り込んできて、通路側も埋まっていく。わたしは隣に誰か座れるように荷物をどかした。

ブロンドの髪のアジアとヨーロッパのハーフみたいな可愛い女性が隣にやってきた。わたしと目が合うとニコッと笑って隣に座った。その仕草は日本人ではやらないだろう。

わたしは慌ててiPhoneを消した。英語サイトを見ていたのだ。万が一英語で話しかけられでもしたらどえらい恥をかく。

で、もちろん話すこともなく、無事成田駅に到着。バスを降りると、彼女は連れと合流。その連れは典型的日本人に見えた。二人の会話がそれとなく聞こえてきた。

「電車どこだっけ?」
「下じゃなかった?」

二人とも流暢な日本語を操っていた。
なぜ、彼女は座るとき、あんな外人っぽい仕草をしたのだろうか? おそらく、彼女もわたしを見て外国人だと思ったはずである。成田のホテルで英語サイトを見ていたら、そりゃ、間違えられて当然か。

自著に対するキャッチコピー

このブログで、わたしはキャッチコピーの分析をしている。
じゃあ、おまえは上手なコピーを書けるのかと言われれば、評論家は必ずしも作家ではない、と言い訳したくなるものの、わたしの作品に誰かがコピーを書いてくれるわけではなく、自分で書かざるを得ない。


拙著新作、「かぐや姫を好きになったら」のコピーは以下の通り!


―― もし、好きになった人がいなくなってしまうなら、想い出や感情も消してしまったほうが幸せだろうか? ――

制約は55文字以内。
悩みに悩んでこれだ。今見返すと、我ながらインパクトが薄い。イメージもしにくい。反省多大なり。

ちなみに初稿は以下の通り。ほんの少しだが、コピー推敲の奇跡をお見せできると思う。

もし、好きになった人がいなくなってしまうなら、感情や記憶も一緒になくしてしまったほうが幸せなのだろうか?

まず、「感情や記憶」これは硬いので、記憶を想い出に変えた。

「一緒になくしてしまったほうが」はなにを言っているのか明瞭ではない。「消す」の方が言葉が強力だと思った。

最後の「幸せだろうか」か「幸せなのだろうか」は迷った。この短さだと、あっさりとさせた方がリズムが良い。主人公の一人称にしたかった。だから、「なの」が加わると、若干客観的に聞こえてくると思って、「なの」は取った。

ちなみに、225字制限の方には「なの」を入れてある。この長さを収めるには「なの」があった方がいいと思った。しかし、これはコピーと言うよりもあらすじ。


援助交際をしているようだったり、跳び蹴りをくらわせてくれたりするけれども、僕は彼女のことが好きだった。

褐色の妹とは気が合った。二人乗りの自転車を限界までこぐ。僕の背中にしがみつく妹。僕たちは、血の通った兄妹よりも兄妹みたいだった。

彼女と妹は僕の世界の大切な構成要素だ。その二つが欠けてしまうとき、僕は僕の世界を維持できるのだろうか? 煙の出るチョコレートでも、発酵した麦茶でも、この気持ちを癒せないのだとしたら、想い出や感情も消してしまったほうが幸せなのだろうか?

 

もうじき発売! こうご期待!

 

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