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葵上を読んだ & 観た

 

近代能楽集 (新潮文庫)

近代能楽集 (新潮文庫)

  • 作者:三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1968/03/27
  • メディア: 文庫
 

 

 

三島由紀夫の近代能楽集の一つに葵上というものがある。光の妻の葵を六条という光の愛人? の生き霊が呪い殺すという話である。

 

わたしは葵上、の「上」がなにを意味するのか分からなかった。しかし、ネットで葵上をググっていたらわかった。

 

もともと、葵上とは世阿弥が作ったとされる能曲である。さらに、その原作は源氏物語の一場面であるということを知った。

 

しかし、原作を知らなくとも、能を知らなくとも、三島の作品は独立した一つの作品として楽しめるようになっていた。むしろ、能の方は、原作を知らないと分からないかも知れない。わたしは三島の作品を読んだ後だったので能を面白く観ることができた。

 

現代人は能だけ観ても意味不明だと思う。まず、なにを言っているかが分からない。この動画には字幕が付いているが、字幕がない部分はなにを言っているか聞き取れなかった。

 

 

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三島の作品と能が違うのは、能の方は生き霊を撃退する。しかし、三島の方は葵が生き霊に呪い殺されてしまう。ちなみに、原作の方も結局葵上は死んでしまう。

 

わたしは動画ではあるが、今回初めて能というものを鑑賞した。酒やタバコの美味さが分からぬ子どもと同じく、わたしはまだ能という様式美をどのように鑑賞していいか分からない。ゆえに、この作品がどのくらい素晴らしいか、または大した作品ではないのかの判断はつきかねるが、一度、本物の能というものを鑑賞したいという気持ちになったのは事実である。