ネタバレ注意!!
人間椅子を読んだあとだったので、あまりのクオリティの低さに唖然とした。
D坂とは団子坂らしい。もちろん、今はそんな古本屋などない。
主人公が本屋の正面の喫茶店で明智小五郎と珈琲を飲んでいる。なんとなく怪しい古本屋に行ってみると、細君が首を絞められて死んでいる。古本屋の細君とそば屋の細君は体中に傷があることを風呂屋で目撃されている。
刑事を呼ぶが、入口は明智と主人公が見ていたので犯人は逃げられない。裏口から逃げようとすると、アイスクリーム屋に見つかる。もし逃げるなら、古本屋の並びのそば屋か、足袋屋か、ということになる。
電灯に付いている指紋は明智のものだけ。それは、明智が入ったときに付けたから、付いたのである。
で、わたしがトンチンカンな推理をする。「犯人は明智だ!」そして、裏口から出て、そば屋でトイレを借りて、そば屋の表口から抜け出す。
そば屋の亭主と古本屋の細君はSMごっこに興じていて、興が乗って死んでしまった。
推理小説には二種類ある。謎が解けてスカッと膝を打つ結末。もう一つは、下らなく荒唐無稽でガッカリな結末。これは露骨に後者である。
なぜかこの原作のエロっぽい作品がたくさん作られているが、この作品はエロのかけらも出てこない。
嘘だと思ったら、キンドルは無料なので読んでほしい。