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Xの悲劇 エラリークイーン を読んだ 感想 レビュー

ネタバレなし。

推理小説のネタをばらすほど野暮ではない。 

 

 

Xの悲劇 (角川文庫)

Xの悲劇 (角川文庫)

 

 

 

Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)

Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)

 

 

 

 

 ↓わたしが読んだのはこれ。大久保訳である。将棋のチャンピオンなどが出てくるのであるが、本当はチェスかなにかではないだろうか? ウルグアイの表記も、ウルグヮイなどとなっていてちょっと読みにくい。

Xの悲劇 (新潮文庫)

Xの悲劇 (新潮文庫)

  • 作者:クイーン
  • 発売日: 1958/11/03
  • メディア: 文庫
 

 

 

1930年代のアメリカの雰囲気が味わえる。

シャーロックホームズにしろ金田一耕助にしろ、推理小説の探偵は一癖も二癖もあるものであるが、ドルリー・レーンはぶっちぎりだ。もともとが俳優と言うこともあり、台詞がいちいち舞台口調なのである。そして、シェイクスピアの引用をしまくるという、実際にいたら相当辟易する人間であることは間違いない。

 

また、サム警部もキャラが立っている。まるで江戸時代の奉行所のノリである。この時代はアメリカもまだお上意識が強かったと思われる。

 

この作品は本格推理小説である。この時代に特に流行った。この時代は推理小説にとっていい時代だったかも知れない。DNA鑑定もなければ、監視カメラもない。しかし、指紋とか検死とかはある。

 

最初の30ページくらいは、字も小さいし、登場人物もいっぺんに出てきてわけわからないし、読むのがかったるかったのであるが、殺人事件が起きてからグイグイ引き込まれ、最後まで読んでしまった。

 

普段推理小説を読まない人にも充分おすすめできる作品である。