ニコラス・ケイジ主演の「天使のくれた時間」という映画を観た。
ニコラス・ケイジはフェラーリを乗り回し超高級マンションに住むファンド会社の社長だ。衣装部屋も持っていて、美しいスーツやシャツを山のように所有している。
彼は13年前に恋人と別れて、金融の道に進んだ。だが、ある日目覚めると、13年前、恋人と別れずに結婚するという選択をした延長線上の別世界にいたのだ。ニコラスは困惑する。億万長者だったのが、二人の子どもの父親で平凡なタイヤのセールスマンになってしまったのだ。
タイヤのセールスマンに落ちぶれたニコラスは意気消沈してふて腐れる。ある日、家族でショッピングモールに行く。そこで、ニコラスはエルメネジルド・ゼニアの店に立ち寄る。昔を懐かしみスーツを眺めていると、店員が試着を勧める。
ニコラス・ケイジはスーツを着た瞬間にタイヤのセールスマンから、億万長者の顔に変わるのである。顔だけではない。雰囲気を一変させる。そのスーツ姿をみた妻とニコラスの会話が良い。
妻 I mean, really... wow! Off the charts, great.
(うわぁ、スゴい)
ニコラス It's an unbelievable thing. Wearing this suit actually makes me feel like a better person.
(不思議だ。スーツを着ると偉くなった気分になる)
まさに、ニコラスはスーツを着た瞬間に偉い人に見えるのである。
この後のシーンはニコラスがスーツを買おうとするが、妻が「あんた気が触れた?」と夫婦喧嘩が始まる。ちなみに、スーツの値段は2,400ドルだ。
余談だが、その後、妻は結婚記念日にゼニアではなく、ゼニアのパチモンもゼーナをニコラスにプレゼントする。それを受け取ったときのニコラスの表情がまた何ともいえないのである。