昨日JOKERを観た。観て良かった。
ぶっちゃけ、とんでもない衝撃を受けて、今でも頭から離れない。そのせいで、今日は朝から休みなのに、小説、まだ一文字も書けていません。やばし。
JOKERはバットマンに出てくるJOKERとは無関係、とされているが、まるっきり無関係ではない。
舞台は1980年頃のゴッサムシティ。JOKERの母親はウェイン家で働いていて、ブルースの父親であるトーマスとの間に出来た子ども、ではないかという疑惑が通奏低音として物語の中に流れる。
もしJOKERとトーマスの息子だとすると、バットマンとJOKERは異母兄弟ということになる。
さらに、ブルースの目の前で両親が暴徒化した連中に射殺される。
ほぼほぼバットマンのシナリオをなぞっているといっていい。
わたしは改めて、バットマン・ダークナイトを観てみた。その中では、JOKERは狂った犯罪者。ブルースは正義の味方である。
しかし、もし、映画JOKERで疑われているJOKERはトーマスの息子で、トーマスはその事実を隠すためにJOKERの母親を精神病院へぶち込んだ、のだとすると、見方はガラリと変わってくる。
いまなら両方ともプライムなので、ダークナイトもご覧になるのをお薦めする。
さて、普通にJOKERを観ると、貧困層の金持ちへの反逆に見える。ああ、資本家ども、なんていけ好かない連中なのだ。最後は街は暴徒で溢れかえり、略奪が横行する。トーマスも殺されて、ざまーみろ、といった感じである。
だが、資本家の立場でこの作品を観ると、恐ろしいことこの上ない作品である。自分たちの立場や富が脅かされている。暴徒化する貧困層は皆殺しにすべきである。そういう風に映るはずだ。
そう考えると、今アメリカで進んでいる分断政策がなんとなく理解できる。陰謀論など存在しないと考えるのは早計である。彼らにとって貧者の躾けは陰謀などではなく、自分たちの身を守るごく自然な振る舞いなのだ。
バットマンは正義の味方ではない。金持ち資本家たちが作り上げたルールの味方なのだ。この世界のルールとは金持ち資本家達が良いと考えたことがルールだ。貧者の暴動が正しいのか、金持ち資本家の躾がただしいのか、そういう価値判断ではなく、これは闘争なのである。
ぜひ、JOKERとダークナイト、併せて観て欲しい。