文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

アフターワクチン 第16回 その4

 

「どういうことですか?」
 と高田が口を挟んだ。
 高橋さんは大事なことを伝えるように、しっかりとした口調で言う。
「わたしも最初は半信半疑でした。でも、未来は裕二が言ったとおりになった。あの日、裕二はなにが起きるか知っていた。知っていて、あの部屋に戻った。わたしが百パーセント彼を信じていたら、他に出来ることがあったのに、結局なにも出来なかった。お兄さんも、達也さんも本当はご存じだったんじゃないですか?」
 突然振られて、僕は混乱した。僕は一体なにを知っているというのだろうか。
「すみません、僕がなにを知っているんですか?」
「裕二は突然性格が変わりました。2021年の九月にコロナに罹って退院してきてから。それに、性格だけじゃない。筆跡も変わってた」
 高橋さんはなにかを訴えかけるように僕をのぞき込む。僕は彼女に何かしたのだろうか。
 裕二の性格が変わったとは特に思わなかった。急にワクチンを打つなとか言ったときは驚いたが。食事も僕の急用でいけなくなって、結局裕二に会ったのは結婚式の時だけ。
 彼女は続ける。
「その筆跡は、達也さん、あなたとそっくり。兄弟だから似ていてもおかしくないけど、裕二は本当に字が下手だった。でも、あなたのメモは走り書きだったけど、調っていて、それは、性格が変わった後の裕二のものととても似ていて、わたしは、ひょっとしたらあなたが――」
「高橋さん、そんなこと、あるわけないじゃないですか」
 高田が小馬鹿にしたように言う。
「分かってます。わたしがバカみたいなことを言っていること。でも、この世界も、世界中の人間にワクチンを打って、七十億人があと数年で死んでしまう。わたしもあと二日で死んでしまう。本当にバカみたいなことが起きてしまった。裕二はこの未来を知っていた。それを止めようとしていた。高田さん、あなたがワクチンを虚偽接種したのだって、世界がおかしいことを知っていたからでしょ?」
「それとこれとは別の問題だと思います」
 高橋さんは寂しそうに頷いて、でも、決意に満ちた声で、
「未来を、あなたたちに託します」
 一礼して門の方へ降りていく。
 僕と高田も裕二と理恵、僕の両親へ手を合わせてマンションに戻る。高田はそのまま帰るかと思ったら、ちょっと話しがあるからいいか? と僕の部屋に上がった。本当は帰ってもらいたかったが、どうしてもという。
 高田をソファーに座らせて待たせる。僕は高橋さんの言葉が頭に張りついて剥がれない。お茶を出すこともなく、僕は裕二の遺品を保存してある紙袋を開ける。遺品と言っても、部屋のものは全て燃えてしまったから、残っていたのは会社に置いてあったもの程度だ。
「達也、なにやってるんだ?」
「裕二の筆跡を調べる」
「高橋さんが言っていたこと、本気にしてるのか」
「そういうわけじゃないけど、なんか気になっちゃってさ」
 ノートや手帳が出て来た。ぱらぱらめくるが、そこにはいつもの裕二の字があった。問題は2021年の九月以降。
 あった。会社のノート、仕事の段取り、打ち合わせ……。
「おいっ、見てみろ」
 僕は思わず高田にノートを押しつけた。退院以降の文字は、明らかに別人の文字で、でも、その文字にはとても親しみがある、間違いない、僕の字だった。
 高田が飛び上がって驚くと思ったのに、彼は至って冷静だった。それどころか、僕が予期せぬことを口にした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

いや、見事に、なにもしないで一日が終わった。ちょっと、一日が過ぎるの早すぎる。

 

こんなんじゃ、あと寿命が50年残ってたとしたってあっという間。

 

ワクチン三発目が話題になってるが、ほんと打つ人感心するよ。

韓国は日本よりも接種率高くて感染大爆発。もはやワクチンが効かないのは明白なのに、なぜ未だにワクチン???

史実は小説よりも奇なり、ほんと奇です。