今週のお題「お気に入りのTシャツ」
お題を書きながら、お題の趣旨を否定しているというか、台無しにしているなぁ、と反省しつつも書いてしまうことが多い。
今回もだ。わたしはTシャツを着ない。したがってお気に入りのTシャツというものはない。
そもそも仕事はワイシャツであるし、外に出歩くときはポロシャツである。冬はネルシャツだ。
おじさんにTシャツは似合わない。よほど格好いいおじさんならともかく、わたしのような普通のおじさんがTシャツを着ていると、みっともないし不憫である。
家の中で着るならいいが、近所のスーパーに買い物には行けない。よくスエットでスーパーに買い物に来ている人がいるが、わたしの感覚だと、スエットもTシャツも似たり寄ったりである。
六十歳くらいの友達がいるのであるが、その人は頻繁にTシャツを買っている。音楽が好きなようで、ギターのTシャツとか、ミュージシャンのTシャツを買うのだという。しかし、その人がTシャツを着ている姿を一度も見たことがない。
「Tシャツ買ってどうしてんですか? 着ないんですか?」
「着るわけないじゃん」
とのことで、たまに取り出して眺めるのがいいらしい。
わたしが使いもしない硯や万年筆を大量に保有しているのと同じである。人間とは面白い生き物である。
ちょっとTシャツが欲しくなった。