石原慎太郎脚本の作品。
右翼映画だとか、いや全然右翼ではない、とか話題になった。
この作品は作品そのものも面白いがwikiも面白い。
作品の内容は、特攻に決まった若者たちの、特攻に至るまでの数日を描いたもの。その中には、妻を残してきたもの。朝鮮人。様々なドラマがある。
しかし、あの時代にああいう日本人がいたというのはにわかには信じられない。信じられないと言うより、想像が出来ない。おそらく、今の日本人があの状況に置かれたら、特攻できる人間などいないのではないだろうか。
特攻で死んだのは1036人だそうだ。ちなみに大和が沈んで死んだのは3千人である。人数だけで言えば多くないが、自ら死ぬとわかっていて死ぬというのはやはり次元が違うだろう。
先日、友人と話していて、右を向いても左を向いても拝金主義者しかいない、という議論になった。拝金主義者じゃないやつなんているのかね? と聞かれて、わたしはこの映画の特攻を思い浮かべた。250キロ爆弾を抱えて敵艦に特攻するもののなかに、拝金主義者はいない。
特攻は凄いことだと思う。わたしには到底真似できない。ただこれを賛美しようとしたり否定しようとしたりすると、突然おかしくなってしまう。この作品はその辺を特攻を主人公にするのではなく、特攻のひとたちが利用していた食堂の女将の視点から描くことによって、上手に表現できていると思う。