こと日本に於いて右左翼の定義は複雑を極めるが、昔と今の共通点として、定義できるのが、
昔:岸嫌い=左翼
今:岸の孫嫌い=左翼
粗雑な分け方で恐縮である。
先日、安倍首相の演説を妨害した男が警官に強制移動させられたというのがツイッターに流れていた。
この動画である。
わたしはこれを見て排除されて当然と思った。というのも、首相クラスの街頭では県警とSPがわんさかいて、ちょっとでも変な動きをしただけでしょっ引かれるからだ。怪しいやつは歩いているだけで職質される。
公職選挙法には、
〈交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき〉(225条の2)
というのもあるが、普通の候補者はどれほど選挙妨害されても警察は動かない。なぜなら、その場に警察がいないからである。
さて、上記の動画に対するツイッターやマスコミの対応である。
反安倍は警察の対応を非難し、親安倍は擁護する。
反安倍派は、安倍が警察の人事権を牛耳っているので警察が忖度している、などというが、あり得ない。野田総理の時代でも怪しいやつは容赦なくしょっ引かれていた。
本来、官憲は横暴なもので、官憲が横暴だからと言って、その官憲を非難したところではじまらない。ただ、日本は民主化、イオンではないが「市民様は神様です」みたいな風潮があって、近年官憲の横暴が圧伏されてきていた。
すると、左翼も小難しい理屈や、聞いたことのない横文字で権力を非難すると言うことが難しくなった。
ゆえに、最近の左翼は単に安倍さんを悪し様にいうだけで、ちっともインテリ臭がしないのである。岸嫌いと岸の孫嫌いでは、その中身がまったく違ってきてしまっている。
例えば、憲法9条遵守ももはやリーズナブルではない。1965年のころは、隣の韓国も中国も屁のようなもので、敵はソビエト。ソビエトと戦うならアメリカがいなくては話にならなく、日米安保は合理的であった。
が、時は流れ、1980年の時点で、韓国とは17倍も離れていたGDPが今や3倍しか離れていない。北朝鮮は核ミサイルを保有する。中国に至っては軍事大国化している。アメリカは世界の警察官たり得ない。
そうなってしまっては、もはや一切の武力を保持しないなどは寝言でしかあり得なく、護憲派が解釈改憲で「自衛権はあるので自衛隊は合憲」とか狂ったことを言い出す始末。
まともな左翼(野党)がいなくては、まともな政権が生まれるべくもない。日本の政治はお先真っ暗で、政治にビジョンを求めるのはナンセンスになっている。
そのような中で、政治に求めるのはひたすら現実的な対応となり、もっとも現実的な対応をしている政党が支持されるのは自明の理である。
だから、投票に行かない人は政治に無関心か、政治に対してビジョンを抱いている人ではある。