KWZ INK カウゼットインク IGターコイズ。
IGとは iron gall の略。gallは没食子のこと。gallnutsなどというらしい。
いわゆる没食子インクである。古典インクである。
去年の12月にお店で色見本を見せてもらい、ずっと惚れていたインク。
つつつつついにゲット!
このインク、ポーランド製である。空輸されてくるわけで、気圧の変化にも耐えられるように、ぐるぐるにラッピングされている。
さっそく、伊東屋ノートに殴り書き。
書いた瞬間はただのターコイズだ。だが、ここからがIGインクの本領発揮、みるみる色が変わってくる。そして、最後には鼠がかった青へと変わる。この変色後の色に嗟嘆がもれる。
書いてすぐ撮影。
五分おいたもの。五分もすればもう充分変色して、それ以上変わる様子はない。
左が書いた直後。右が5分ほどおいたもの。紙は満寿屋の原稿用紙。
時間がたてば両方ともこの通りである。
さて、古典インクを試すにあたって避けては通れない儀式がある。染料インクと古典インクの違いがもっとも顕著にあらわれること。水漬けである。
別の投稿でちゃんと載せるが、これがKWZインクIGターコイズで書いたもの。
こっちはモンブラン、ミステリーブラックである。
さてさて、この両者を水につけると…………
ななななんと! 両方流れた……と思いきやっ!
IGターコイズの方は文字をとどめた。
で、このあと、しばらく漬けておき、干して完全に乾かした物がこちら。
IGターコイズは読めるが、モンブランの方は読めない。なにかが書いてあったことは辛うじて分かるが、判読不能である。
興味深いのは、この写真を見て欲しい。
残った文字は青味が失われているのが分かるだろうか?
あくまで、わたしの予想だが、IGインクは染料と顔料が混ざってできているのではなかろうか。つまり、青は染料であり、その他に顔料が入っている。顔料部分が黒ずむために、それに混ざっている青も黒ずんで見えてくる、というからくりのような気がする。
セーラーの青墨ではこういう現象は起こらなかった。
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いずれにしろ、IGターコイズ、至高の色にして、面白いインクであることには違いない。
ターコイズの他にもいろいろなIGインクがある。

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今回撮影で使ったのはこちら。記事はこちら。
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