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芥川賞候補の「送り火」を読んだ

第159回芥川賞には以下の作品がノミネートされている。

小谷田奈月『風下の朱』(早稲田文学初夏号)

高橋弘希『送り火』(文學界五月号)

北条裕子『美しい顔』(群像六月号)

町屋良平『しき』(文藝夏号)

松尾スズキ『もう「はい」としか言えない』(文學界三月号)

 

選考会は7月18日。

 

ネタバレ注意!

 

さて、送り火であるが、序盤もよし、中盤もよし、だが、終盤で意味不明になる。序盤、中盤は田舎の少年たちの不気味な生態を描いているような、そんなホラー的な要素が盛り込まれていて楽しめる。文章はちょっと過剰表現的なところもあるが、おおむね綺麗である。

されど終盤、突然暴走族が出てきてスプラッター小説に成り下がる。これまで、どこにも出てこなかった、伏線もなかった暴走族が現れて小説をメタメタにしてしまった感じだ。

髙橋氏は今回が四回目のノミネートであるが、残念ながら今回も逃すことだろう。

その他のを読んでないから何とも言えないが。

美しい顔も参考文献を明記しなかったとかで問題になっている。作者の北条女氏は美しいがちと睨まれているようで怖い。

 

文學界2018年5月号

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