いのちのパレードという短編集に収められている。
恩田陸のデビューは日本ファンタジーノベル大賞最終候補作。この作品はまさに、タイトル通りである。巨大なカタツムリが現れる町。カタツムリが現れるときに注意報が流れる。幻想小説である。本当にそれだけの話なのであるが、かたつむりの描写、そんなものが現れる町の描写、夜の描写、またこの町の出身という女性の語り口、これだけで、荒唐無稽な物語を美しく、そして読むものを飽かさずに描ききる。ある意味、力業である。
日本文学100年の名作第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所 (新潮文庫)
- 作者: 池内紀,松田哲夫,川本三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/05/28
- メディア: 文庫
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