↑に収録されている。
和文タイプ、というのはわたしが物心ついたころにはすでに廃れていて、その存在すら知らなかった。
膨大な活字を一つ一つ取り出して、打ち付けていくという途方もない作業が想像付かない。想像付かない時点で、この作品はひどくSFの香りがして、そんな心持ちで最後まで読み進んだ。
ちなみに、和文タイプライターとはこんなものだ。
和文タイプ[日本タイプ パンライター・MAC-45] - YouTube
でも、和文タイプライターを知らない人は、想像力を膨らませて読んだ方が面白いかも知れない。
和文タイプの活字がかける。糜爛の糜、睾丸の睾。など。
活字管理人が、これらの漢字に対してなまめかしい解説を加える。
顔の見えない活字管理人と、字の印象をやりとりするエロス。
不思議な小説である。
↓にも収録されている。
日本文学100年の名作第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所 (新潮文庫)
- 作者: 池内紀,松田哲夫,川本三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/05/28
- メディア: 文庫
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