百年泥　を読んだ - 文学・文具・文化　趣味に死す！

作者: 石井　遊佳
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2018/01/24
メディア: 単行本
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今回の芥川賞は二作品で、文藝春秋三月特別号に両作品が掲載されているので買ってみた。芥川賞はabさんごみたいに結構訳のわからない作品があるので要注意だったが、百年泥は面白かった。百年に一度の洪水で橋の上に堆積した泥の中から、様々な過去の因縁が引っ張り出される。選評に書いてあったマジックリアリズム、日常にあるものが日常にないものと融合した作品に対して使われる芸術表現技法、の見本のような作品。洪水も泥も現実の話なのであるが、そこから出てくるものは作者の空想で、それがまたかなりぶっ飛んでいる。