ネタバレあり
地球外生命体との接触の話である。ただし、結局その地球外生命体が、どうして人間の記憶の中に入り込んで、記憶の人間を作り上げるか、そのことは人間には理解できない、というところで話は終わっている。なるほど、地球外生命体とはそういう物なのかもしれない。
この作品は哲学的で、人間とはなにか、記憶的存在とはなにか、人間とは違う物を出してきて、そこから人間性を問うという、文学的な側面も強い。分厚いが面白いのでサクッと読める。ソラリスの歴史的、仮説的な部分はよく分からないのでザクッと早読みしたりして。
主役はもちろんクリスであるが、ヒロインのハリーが可愛いのである。最初はなにも分からない状態で誕生するが、次第に自分がソラリスが作り上げた肉体を持った幻だと気づいてしまう。気になるのは宇宙に射出されたハリーであるが、どうなったのだろうか。
映画もあるので観てみたい。
スタニスワフ・レム『ソラリス』 2017年12月 (100分 de 名著)
- 作者: 沼野充義
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2017/11/25
- メディア: ムック
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