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小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

「ショパンかぁ」と嘆息する詩吟が似合う老紳士

ちょっとしたピアノリサイタルに行った。何曲目かにピアニストが、「次はショパンを弾きます」と言ったら、私の二つほど隣にすわっていた七十くらいの紳士が「うむぅ、ショパン。……ショパンか」と言って頭を抱えてしまった。

紳士は実に日本的な風貌で、クラシック音楽よりは詩吟が似合う感じだった。彼がショパンと言うだけで、なんとなく場違いな印象を受けるのに、ショパンかぁ、と嘆息して頭を抱えてしまう。いったい日本的紳士とショパンとの間で何があったのだろうか?

ショパンはなんとなくチャラい。恋愛的チャラさがショパンで、チャラい中にも愁いが同居する。恋愛的愁いだ。そんな恋愛的チャラさと愁いと一切無縁であるべき日本的紳士が、ショパンとつぶやき頭を抱えたら、想像が膨らんでしまう。

では、私がショパン的かと問われれば、完全に否である。私もショパンとは無縁で、上記のような一辺倒の偏見しか持ち合わせていない。そんな私がショパンを聴いている姿を見て、さて、日本的紳士はどんな想像を膨らませたであろうか。sy