子どもが「ローラー」という概念を獲得するのは何歳くらいだろうか。少なくとも或る五歳児はローラー滑り台のことを「ガタガタ滑り台」と呼んでいる。ローラーが円形でなにかを転がす、もしくは、転がるものだとはわからないのである。
ガタガタ滑り台のほうが大人にとっても相応しい名前だと思う。なんとなればガタガタ滑り台を大人が滑ると、ガタガタ具合を尾骶骨で受け止めることになる。大人の体重でガタガタをくらうと、数度繰り返すだけで皮膚が裂傷する。
ゆえに、大人は膝を抱えるような形で、靴底で滑らないと大変なことになる。
つまり、けつが痛いのである。