写真を整理していて思った。思い出とは何だろうか。幸せは「いま」にしかないというが、良き思い出を思い返して、現在の幸せに浸るのであれば、良き思い出こそが現在の幸せの源泉ではなかろうか。
自己啓発とか新興宗教とかは、現在の一瞬の幸せを大事にせよと言うが、人間にとって、過去の積み重ねがない限り、現在の幸せなどは存在しないのである。
一切の過去が断絶されて、ひょいと現在の自我や状況が発生するなどと言うことはあり得ない。仮にあったとしても、それが幸せであるなどということはあり得ない。
だから、未来に幸せになりたいのであれば、未来にとって過去に当たる現在をしっかりと生きねばならぬということだ。さらに言うと、現在が特に幸せでもないのに、宗教的・自己啓発的に認知を歪めて幸せだと錯覚するなど、愚かしいことではないか。