これの続きのような話であるが。
卒業式 良き歳をとるとは、善く生きられるようになるかどうか - Yoshinori Hoshi Official blog
自分はまだ三十そこそこであるが、この年になってやっとわかったこと。
それは、年をとらなくてはわからないものがあるということ。例えば、残りの人生について。20歳の頃と今では可能性がまるで違う。まるで違う可能性を秘めた人間はもはや同一ではないだろう。
書物の知識は確かにありがたい。書物の知識は瞬間的な知識だ。論理的な知識だ。逆に、時間を必要とする知識は必ずしも論理的ではない。むしろ、経験的であったり直感的であったりする。覚える知識と感じる知識の差は時間にあると思う。例えば、今後10年間のウィキペディアの内容を丸暗記した知識を持っていたとしても、その知識を持って10年間暮らせば、おそらくその知識の反照した感情は大分違ったものになると思う。
正直、歳は取りたくないし、死にたくもない。若いままでいたい。だが、歳をとって、時間によってしか手にすることが出来ない知識を手に入れるのは一興だと思う。死も、生きているうちには絶対に経験できない、新たな境地である。そう考えれば、歳を取るのも、死ぬことすら、そう悪いことばかりではないと思える。