この世界はロスチャイルドとか、ロックフェラーとか、メディチ家とか、300人委員会とか八咫烏とか、そういう一部の人間に支配されていて、我々は、彼らの許す範囲で経済活動を行い人生を送る。
という陰謀論がある。仮にそうだとしても、ロスチャイルドの偉い人も、妻子や友人との関係に悩まずにはいられないだろう。メディチ家の人々も、親子、兄弟、夫婦、そのようなものが百パーセント円滑に過ごせてはいない。
世界中の富を支配している彼らとて、このような部分においては人間の性に所詮支配されている。無駄に金や権力を持っている分、我々よりも心の荒み具合は余計かも知れない。
と考えると。たとえ世界は陰謀に満ちていて、ロスチャイルドとかに支配されていたとしても、我々が普通に生きて暮らしている限り、彼らと選ぶところがない。単に彼らは権力保持と金の動かし方に苦心し、我々は生活費を稼ぐのに苦心する。その程度の違いである。
彼らは金を持っているからといって必ずしも幸福であるとはいえない。我々は彼らほど金を持っていないからといって、必ずしも不幸せだとはいえない。生活ままならない貧乏はともかく、衣食足りれば、その後の幸不幸は所詮おのれ次第なのであろう。