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小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 ツイッター https://twitter.com/yoshinori_hoshi  youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UC0YrQb9OiXM_MblnSYqRHUw

小説における会話 会話の対象が突然変化してしまうようなことはないか

講談社文庫から鴻上尚史氏著のあなたの魅力を演出するちょっとしたヒントという本が出ている。

 

声のヒント、身体のヒント、言葉のヒントなどがあるのだが、言葉のヒントが小説を書く上でヒントになるような気がした。

 

言葉には

第一の輪=モノローグ

第二の輪=特定の人間との会話

第三の輪=不特定多数へ向けての発言

 

の三種類がある。

 

状況的には第二の輪であるのに、第三の輪の言葉遣いをしていると違和感を感じる、という。

 

例えば、ハンバーガー屋などで、お飲み物はいかがしますか、サイズはいかがしますか、などと必要事項を立て続けに聞かれるのは、状況的には第二の輪であるにもかかわらず、店員の言葉は第三の輪なのである。

 

テレビショッピングなどでも、出演者が互いに商品を誉めまくっている。これは、出演者同士の会話ではなく、視聴者へ向けた第三の輪の言葉遣いになっている。確かに、会話ではあり得ない。

 

はて、小説を書いていて、ダイアローグが突然第三の輪になってしまうようなことはないだろうか。

 

自分はときどきある気がする。とくに、自分が言いたいことを登場人物に言わせるとき、回りの景色を無視して、いきなり読者という不特定多数に語りかけてしまうような。これは注意を要する。