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第163回 芥川賞候補作 首里の馬 高山羽根子 を読んだ 感想 レビュー

 

新潮 2020年 03 月号 [雑誌]

新潮 2020年 03 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/02/07
  • メディア: 雑誌
 

 

 

 

超大雑把にあらすじを書くと、ある日庭に馬が迷い込んでくる、という話。犬や猫が迷い込んでくるかのように馬が迷い込んでくる。

 

主人公はWEB英会話の講師ような感じで、WEB謎々の出題者をやっている。その通信先は宇宙だったり、政府によって監禁されている政治犯だったり。

 

さらに、主人公が遊びに行っている資料館というのは、元新興宗教の教祖が作ったなぞの資料館。

 

この壮大な設定がどう活かされるのかと思いきや、設定として提示されるだけで話の筋にはほとんど関係ない。

 

幻想小説という訳でもないのだが、ちょっとリアリティが掴めない。

 

具体的にいうと、馬を盗み出すシーン。ワイヤーカッターで柵を破って、馬に麻酔を飲ませてリアカーでひいていく。その後、ガマに隠す。乗馬の練習をする。

 

その他にもよくわからないシーンの山盛りである。

 

頭に結構なページを使って背景の説明をする。幻想小説ならば、このような説明は要らないと思うのであるが。

 

幻想小説と見せかけて普通の小説? 普通の小説と見せかけて幻想小説? 実験小説であることは間違いない。

 

前作の

高山羽根子 カム・ギャザー・ラウンド・ピープル 感想 レビュー - 文学・文具・文化 趣味に死す!

 

の方が遙にわかりやすい。

 

おそらく、前回の作品がわかりやすすぎる、という非議でも受けたか、今回は難解すぎる。

 

これもさすがに受賞はないだろう。

第163回芥川賞候補作 - 文学・文具・文化 趣味に死す!

 

 

首里の馬

首里の馬

 

 

 

カム・ギャザー・ラウンド・ピープル

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