三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜という映画が上映されているのをご存じだろうか。
早速観てきた。素晴らしい映画だった。この討論会は活字にもなっているのでご存じの方も多いと思うが、この映画では全共闘の人たち、盾の会のメンバーにインタビューしている。
どちらも70歳の老人になっているが、当時の熱さが伝わってくる。とくに、討論会で三島に議論をふっかけた芥氏のインタビューは最高だ。
三島に対して一歩も引かず、今現代も己の絶対性を信じて疑わぬ。芥氏がいたからこそ、この討論会は歴史に残るものになったと思う。
わたしは芥氏の三島に対する嫉妬をひしひしと感じた。芥氏も三島も共通の敵を持っていた。三島の言葉で言えば、「無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の富裕な、抜け目ない日本」であり、芥氏の言葉で言えば、「あやふやで猥褻な日本」ということになる。
おそらく、芥氏は理解しているのだろう。あやふやで猥褻な日本に異を唱えるのであれば、それは自決しかないのだ。それ以外の方法では、あやふやで猥褻な日本に一太刀も浴びせることは出来ないことを。
だからこそ、思想を事象にぶつけた三島の行動というのは憧れなのである。それは芥氏のみならず、木村氏も盾の会の面々も、そして、わたしにとっても憧れなのである。