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仮面の告白 三島由紀夫 を読んだ。感想 レビュー

 

仮面の告白 (新潮文庫)
 

 

 

三島の自伝的小説である。

 

二十四歳でこれを書くとかって、どれだけ天才なの?

 

文章はもとより、構成もシナリオもピカイチである。

 

もちろん、読みにくい小説ではある。さくさく読める小説とは全然違う。だが、こういう小説を是非、日本で再び流行らせたいと思う。重厚で、後味がキツく、上品で、人間の深部が描かれた作品を。

 

昨今、LGBT小説は五万と溢れているが、仮面の告白は単なるLGBT作品ではない。LGBT的要素はあるが、それが主題などでは間違えてもない。

 

主題などと簡単に語れる作品ではないので、わたしなりのこの作品の見所を述べたい。

 

三島が1970年に自衛隊に乗り込み割腹自殺を遂げたことはご承知の通りだと思う(実は先日映画を観てきた。おってこのブログで報告したい)。

 

では、三島の死とは憂国故の死なのであろうか。もちろん、それもあるが、わたしは仮面の告白を読み、三島は死に対する憧れを強く抱いていた。いや、常人とは違う種類の憧れを抱いていたと感じた。

 

三島は自決をしたわけであるが、三島的には交通事故で死んでも良かったのではなかろうか。ただ、交通事故ではなかなか死ねないので自決を選んだ。極端に言うと、そういう印象をこの作品を読んで感じた。