やはり、かっこいいオープンカーにはかっこいいドライビングジャケットであろう。
ドライビングジャケットと言えばバラクータである。
ちなみにバラクーダはニモのお母さんと兄弟を食べちゃう魚である。
バラクータg9 名作である。
ビームスに行った。
あった。サイズもジャストサイズのバラクータg9
ただ、ビームスの別注で裏地が青のチェックだ。
ほれぼれ見ていたら店員さんが「ご試着なさいますか?」
試着だぁ?
わたしは買いに来たのだよ。
「あ、はい。ちょっと着てみようかな」
「じゃ、コートお預かりします。あと、ジャケットも」
わたしはコートとジャケットを脱ぐ。
この日わたしはミディアムグレーの背広。ネクタイは紺無地のマリネッラを絞めていた。シャツはレギュラーカラーの白無地である。
さっそくg9を羽織ってみた。恐ろしいほど違和感がない。まさに、
「いる! こういうおっさん!」
こういう格好をしたおっさんが町工場から、市役所から、昼休みにのそのそ出てくるのが想像できる。
すり切れたサンダルを履いていればパーフェクトだ。
「ちょっと、・・・ちょっとあれかな・・・」
絶句である。
店員も、
「あ・・・、下に着るものとかで、雰囲気変わりますから・・・」
フォローになってない。
似合わないのではない。似合いすぎているのだ。おっさんスタイルとしての完成度が高すぎて、鳥肌が立った。
つまり、わたしはおっさん以外の何者でもなかったのである。
そして、おっさんはバラクータが似合う。
結論。
わたしはまだ現実を受け入れられない。