今週のお題「二十歳」
わたしは二十歳の時、いわゆるニートで文字通りブラブラしており、その日も、ブラブラと図書館に出かけたら、図書館に併設されている公民館の前で同じ年頃の男女がおめかしをしており、「嗚呼今日は成人式か」と気がついた。
わたしにとって二十歳というのはなんの節目ですらなかった。麻生大臣が仰せのように、パクられたらまずいな、とちょっと思う程度のものだった。
それよりも、三十歳、四十歳の節目の方が遙かにわたしにとって意義があり、精神的に重たいものである。
それは、残りの人生が見えてきたからである。
このまま、鳴かず飛ばずで、凡人としてこの世から消える。その可能性がきわめて大きくなってきたということだ。
少年よ大志を抱け、は有名な言葉であり、その通りだと思うのであるが、中年はもはや大志など抱けないのである。
いや、抱いてもいいが、抱くだけの気力が失われているというのが正直なところだろうか。
大人になったのはどんな瞬間? とお題に書いてあったが、大人になどなりたくないのである。ずっとトイザらスキッズなのである。それでも、髪は白くなるし薄くなるし肉はたるむし目はかすむし、死は近づきつつある。