タイトルをみた人はビビったかも知れない。どぶろく=密造酒というイメージが強いからだ。
わたしは極めて品行方正でコンプライアンスな人間なのである。
試飲したらびっくりするくらい美味かったのである。なんとも上品な甘さで、コクがある。もっと飲みたい! と買ってしまった。
買ってしまった……。そう、この酒、ショットグラス、いや、ペットボトルの蓋くらいの量を嗜むのが一番美味い飲み方だ。
ごくごく飲むものではないのである。
アルコールも6%。普通のコップに注いでごくごく飲むと、いやはや、様々な味が縦横に駆け巡り、まるで薬のような異様な味わいが口の中を満たす。
喩えれば、ゴルゴンゾーラチーズ。これを、ワインを飲みながら、少し口に含む。濃厚で芳醇な香りが広がり得も言われぬ余韻を楽しめる。
が、もし仮にゴルゴンゾーラチーズをおにぎりのようにがっつり囓って口の中いっぱいにほおばったら……、想像するだに恐ろしい。
それと一緒である。なんというか、腐ったヨーグルトのような、で、アルコール発酵したような、なんか米の味がするような……。そういう飲み方をするな、ということである。
もし飲まれる方は、ちびちび、なるべく小さめの猪口で飲むことをお勧めする。あと、食事には全然合わない。飲むなら食前が食後。もっともシンプルにこのどぶろくを喩えれば、飲むヨーグルト、である。