文学・文具・文化 趣味に死す!

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遠野物語を読んだ

明日は夏の文学教室なり。そのための予習をせり。

 

京極先生のお題「 物語の在り処 〜遠野物語を巡って~」とのことにて、遠野物語を知らねば分からぬと思いこれを読めり。

 

遠野物語柳田国男の著作なり。著作権も切れておれば、キンドルにて無料で入手すること可なり。

 

遠野物語は全文文語なれど、源氏物語がごとき古語古文にあらずして現代の言葉と差異多からず。

 

遠野は岩手県遠野市として現在も残れり。東日本大震災で被災せし釜石より西に15キロほどのところなり。

 

彼の地はアイヌの色を濃く残しているのか、その地名もアイヌ語に由来するもの多し。トオはアイヌ語で湖であり、遠野郷の地大昔は全て一円の湖水なり云々。

 

雪女、河童、狐、天狗など物の怪の話を集めしものにて、一見すると怪談話といえり。されど、怪談とはまた趣が異なるものと思わる。

 

余はこれを読みて、内山氏の「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」を思い起こせり。

「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」を読んだ。 - 文学・文具・文化 趣味に死す!

 

おそらく、柳田はキツネに騙されぬ類いの人間にして、そのものが騙された人間の中に入り、黙々と話を書き留め、不思議なる出来事を、さも当然のように後世に残せしものなり。

 

これを読むもの、いたく不思議の感を抱くは、目の前の出来事がフィクションにあらずして、現実として立ち上るが故か。

 

さて、予習は了んぬ。京極氏がこれをどのように料理するか期待するものなり。

 

 

遠野物語

遠野物語

 

 

 なにゆえに本日文語で書きたるかを言えば、遠野物語の文語はこの程度のもので、誰でも読めることを知らせたければなり。されど、口語訳もあり。

口語訳 遠野物語 (河出文庫)

口語訳 遠野物語 (河出文庫)

 

 

遠野物語remix

遠野物語remix