久しぶりに普通に面白いコメディ映画を観た気がする。
あらすじは、二人の脱獄犯が町に逃げ込み、ひょんなことから高名な神父に間違われる。脱獄犯たちも間違われたことをいいことに、神父の振りをして国境を越えるチャンスをうかがう。しかし、神学の知識などこれっぽっちもない二人なので、様々な勘違いやトンチンカンな振る舞いをして……
とあらすじだけで面白そうではないか。
ロバート・デニーロはもちろん素晴らしいのであるが若かりし頃のショーン・ペンも素晴らしい。
いまでこそ、筋骨隆々のショーン・ペンであるが、この映画では軟弱な青二才を演じている。また、その青二才ぶりが高名な神父という設定とのギャップで面白いのだ。
ネタバレを言うと、最後はショーン・ペンがカトリックに目覚めて出家するのであるが、純粋なショーン・ペンがカトリックの教えに触れて教化されていくところなども見所の一つではなかろうか。
単なるコメディを越えて、人間の欲深さに満ちた脱獄犯とその対極に位置する修道士、しかし、そこに共通する人間の優しさや生や自由への執着、そんなものまでちらりと見せてくれる、出色の作品ではなかろうか。