昔の作家は原稿用紙にインクをぶちまけて台無しにしたらしい。やったことはないが、それならどうにか読めるのではないか。
いまオール讀物用の原稿を書いていて、昨日は保存し忘れて二千字ほど失う。
保存のし忘れ。これはよくあることだ。ワープロソフトを消すとき、保存しますか? がでて「いいえ」をなぜか無意識に押してしまうパターン。
あと、ドロップボックス事故もたまにある。
だが、今日の悲劇は今までにない初体験の悲劇だった。
昼休み、ヨガブックで執筆していた。今日がオール讀物の締め切りなので、最近は4時起きで毎日書いている。ゆえに眠い。
眠気と激闘しながら書いていたのであるが、ついがくりと三十秒ほど意識を失った。
なんとその時、右手の指がバックスペースにかかっていて、はっと気がつくと画面の文字が次々消えていく。
慌てて手を離すが後の祭り。ctrl+zで戻すが、50文字も戻らない。結局、前のセーブポイントまで戻った。1000字近く失った。
そんなこんなの原稿も完成した! これから読み直す! 12時まであと4時間半!