文学・文具・文化 趣味に死す!

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログ。小説、映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係、食い物、酒、文具、ただの趣味をひたすら毎日更新し続けるだけのブログ。 

やがて、子細 の使い方が現代と太平記だと随分違う

あと2週間で連続更新200日達成!

 

前に百日更新をやったが、なんと気がつけば200日更新できそうである。

 

高名の木登りではないが、油断あるまじ。

 

 

 

最近太平記を読んでいる。滅茶苦茶面白い。文語のうえ分からない単語が多々出てくるが、注を読み読み楽しんでいる。

 

太平記(一) (岩波文庫)

太平記(一) (岩波文庫)

 

 

さて、太平記の良く出てくる言葉で、現代とは意味を異にするのが「やがて」「子細」である。

 

例えば、二巻の3 後醍醐が怪しげなまじないをしているとして、京都の僧を鎌倉に引っ張ってきて、まじないの図面を書かせる。しかし、鎌倉方はそれを見ても何が何だか分からないので、専門家を呼んで意見を聞く。その専門家の台詞がこちら。

 

「本尊に於いては、子細なき調伏の法の具足なり」

 

意訳「この本尊の形は調伏の道具に違いありません」

 

この台詞に於いて「子細」は「間違いなく」という意味に使われている。

 

「やがて」の使い方も面白い。

三巻の1 後醍醐は楠の夢を見て興奮する。

 

主上、さては今夜の夢の告げこれなりけりと思し召して、「やがてこれを召せ」と仰せ下さる上は、

 

この「やがて」は「すぐに」の意味である。

 

日本語源広辞典によると、「しさい」は中国語で綿密で細かいという意味。間違いない、の意味で使うことは現代ではない。

 

「やげて」は「ヤミ(止)カテシ(難し)」の音韻変化。時間的隙間がない、という意味。なので、もともとの意味は、ただちに、そのまま、たちまち、すぐに、などの意味。現代語は語源から随分離れてしまった。

 

 

日本語源広辞典

日本語源広辞典