和歌のルール 久しぶりに面白い本の出会った。日本の二面性。 - 文学・文具・文化 趣味に死す!
昨日の投稿で
花の色はうつりにけりないたずらにわが身よにふるながめせしまに
この歌の説明として、ながめは古語で物思いに耽る、と説明した。それと、長雨が掛かっていると。
字統、字通、字訓の中で、たまたま中古で安かった字訓を買った。しかし、この辞書、出番がかなり少ない。
字訓は辞書と言うよりは最早読み物である。
が、「ながむ」がちょうど載っていた。
ながむ「詠」下二段。
もともとは、「長雨」の意味。
雨期の長雨のときに「雨期禁み(あまつつみ)」という禁欲の風習があったらしい。そのとき、物思いに耽ることから、物思いに耽るという意味なった。
そしてさらに、長く声を引いて歌を吟詠する意味になった。
また、眺む、と同源で、遠くをぼんやりと眺めて物思いに耽る、という意味。
そもそも「なが」は川のことを指すらしく、そこから、一直線に続くもの、という意味になった。投ぐ、流る、なども同系の語。沖縄ではウミヘビを「うなぎ」という。
字訓、面白い。読み始めると止まらなくなる。