このニュースのコメント欄が、辺野古推進で埋まっている。
たしかに、辺野古の海を守るのと国防、どちらを取る? と言われればそりゃ国防となってしまう。
辺野古は国防に寄与しない、故に基地建設は反対である。
という論法を通すのは難しい。国防に寄与しないことを証明出来ないからだ。辺野古は不要だと考えているわたしですら、0.1%くらいは寄与するかも知れないと思っている。
「議会制民主主義は期限を切った独裁である」
と言い放ったのは菅直人である。カンが自分の言ったことを正しいとするならば、スガが今やっていることも正しいと言うことになる。
もう一つ定義を付け加えるならば、
「議会制民主主義は多数派が少数派を抑圧する政治形態である」
となれば、沖縄の世論は沖縄以外の世論に屈せざるを得ぬことになる。そして、このような結果を民主主義だからと言う理屈で受け入れられるものなのだろうか。
このテーマは中学の公民の授業で取り上げたら面白いと思う。
いくつか言えることがあるが、民主主義は不利益配分には向かないということ。不利益は票の少ないところに押しつけられる。沖縄に70%以上の米軍基地があるのもその証拠だ。
もう一つ。他人の痛みを理解しないと、純粋な弱者抑圧になってしまうということ。
さらにもう一つ。情報の非対称性によって意見は先鋭化してくると言うこと。
今まではマスコミが第三の権力、などと言われていたが、ネットの台頭により、マスコミの信用は失われ、オルタナティブな意見がいくらでも見られる時代だ。
この辺野古問題は、沖縄問題の序章に過ぎない。このまま沖縄に不利益配分をし続ければ、かならず沖縄に独立運動が起こる。そのとき、独立を認めるか、弾圧するかは大きな日本の岐路となる。
辺野古の基地一つが、随分高くつくことになる。
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