雪が積もるだろうと期待していたが、期待外れだった。雪はいい。雪のおかげでなにもしなくて良いようになる。前に、インフルエンザは忙しい現代人にとって福音にあらぬか、と書いたが、雪もまた福音なり。今回は福音たり得ずに止んでしまった。
さて、本題。
あしびきのこなたかなたに道はあれど都へいざといふ人ぞなき
菅原道真の歌である。
道真はバリバリの出世官僚であるが、太宰府に左遷されてしまう。左遷された地で、左遷された心をよく詠んでいた。
あしびきの、は山の枕詞。山を省いて使っている。
山のあちこちに道はあるのに、都へ行こう、と言ってくれる人がいない。もしくは、都から呼び戻されない、そんな意味。
かな書を楷書で書くと一気に味気なくなるのと同じで、和歌を現代語に訳すとその味わいは出し殻のような感じになってしまう。
今回使った紙は面白い紙で、随分前に伊東屋で買った。手紙に使えるかな、と思って買ったのであるが、A4を手紙で使うにはでかすぎる。しかし、今回手紙をいろいろ書かねばならず、そうだ、こいつを切って使おう、と閃いて、ついでに短冊にも切ってみた。
沖縄に生えている月桃という草で作っているらしい。
アップにするとこんな感じ。斑があっていい感じだ。真っ白い紙よりも、和紙みたいで味がある。
楷書で書くとこうなる。デュマ使用。インクはモンブランのミステリーブラック。
デュマの記事↓
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