ペンの光 2016年12月号より
いい句である。苔の上にもみじが散っている様がよく浮かぶ。
長谷川素逝の句である。高浜虚子の弟子である。
虚子の息子の高浜年尾に、似たような句がある。
苔の上に掃き寄せてある散紅葉
ちょっと散文的かな。
もちろん、そんな詳しいことは分からないが、ひとつひとつの、の方は、苔がむしている巌の上に、紅葉が散っている、そういう渓流のような大自然を連想させる。庭の日陰に生えちゃった苔では風流ではない。
まぁ、そんなことはさておき、この写真を見て欲しい。
じゃじゃーん!!! なんとデュマを手に入れてしまった。
サンタが持ってきたのだ。わたしは普段からよい子にしているから。
満を持してデュマのレポートを書こうと思っているのであるが、なかなか筆が進まぬ。というのも、このデュマ、めちゃくちゃフローが渋い。使えないレベル。
切り割りを開いたり、インクを変えたり、いま色々試行錯誤している。っていうか、これ、中古のくせにほとんど使われていない。使っていない万年筆は正直半製品である。
もうちょっと使えば、最高になるかな、なってくれよ、と願う今日この頃なり。
長谷川素逝は砲車という戦争を詠んだ面白い句集がある。俳句と戦争、って、とっても食べ合わせが悪いのだが、どうして、これが面白いのである。