「ゴミ、カス、クズ」
言われると傷つく言葉である。
さて。
たまに、「護美箱」と書かれたゴミ箱を見ないだろうか。
美を護る箱。なるほどである。
友人と歩いていたら、そんな護美箱があって、
「ゴミってああいう漢字書くの?」
という話になった。
まぁ、当て字だろうなとは思ったが、帰って語源を調べた。
もともとは松葉の意味らしい。松葉は落ちて散らばる。さらにどぶに詰まる。そこから転じて不要なものという意味になったらしい。
でも、ゴミなんて人類発祥と同時に発生しそうなものだが……その答えはクズで。
カスは簡単で「濾す」が語源。濾したあとに残るもの。
白米は栄養がない。白米と書いて粕と言う。などともっともらしく言われているが、米で酒を絞ったあとだから、粕なのだろう。
クズはクズレル、クズル、が語源。崩れて用をなさなくなったもの。大鋸屑、鉋屑、紙くず、など。
わたしの考えでは、ゴミよりもクズの方が古い言葉ではないかと考える。もともとはクズしか存在しなかった。しかし、文明が発達して、物が飽和してくると、まだ使えるけれども要らないもの、というのが生まれて、クズの他にゴミという言葉ができたのではなかろうか。