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花や今宵 ふくちゃんのジャック・ナイフ 感想 レビュー

 

月のしずく (文春文庫)

月のしずく (文春文庫)

 

 ↑これに収録。

 

花や今宵

 

面白いが、ちょっと作りすぎている。あまりにも都合がよすぎる。

ネタバレ注意。

それに、最後、電波が届かない、というのが落ちになるが、そんなの最初で気づくだろ、的な。

だいたい、男に振られた女、女に振られた男、が終電で寝過ごして山梨まで来て、そこでたまたま花が綺麗なラブホが現れるとか、ちょっとやり過ぎである。

浅田次郎でもこういう作品を書くのかと、ちょっと安心した。

 

 

ふくちゃんのジャック・ナイフ

 

浅田次郎の小説によく出てくる設定である。浅田次郎の幼少期、事業で成功した父親のもとに、若い衆が住んでいて、その人との交わり。

石原裕次郎に憧れるふくちゃん。ふくちゃんは裕次郎のつもりかジャックナイフを買う。幼い主人公はそのジャックナイフを譲りうける。

ジャックナイフを小道具に、当時の風景。ブラジル移民の社会問題。

裕次郎浅丘ルリ子をなぞって、当時の庶民の恋愛を描き出す。素晴らしい作品である。