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さいたま市議「首つって死ね」 質問に答えた図書館長に暴言 の議事録を探した。

ちょっと前にこういったニュースがあったのを憶えておられるだろうか。

さいたま市議「首つって死ね」 質問に答えた図書館長に暴言、謝罪 - 産経ニュース

 

こういうニュースは首吊って死ね、だけが取り上げられて、そう発言した理由がなんだかわからないので、ずっと気になっていた。

で、そろそろ議事録もアップされた頃だろうと思って調べてみた。

あと、ついでに吉田一郎なる人物についても調べてみたが、元ジャーナリストで、懲戒処分をたびたび受けている。どんな議会にも一人はいる突出議員らしい。

さて、以下に議事録を転載した。○○○○○○○となっているところが「首つって市ね」だろう。その後もずいぶん○○○○○○○○○○○○が続いているので、そうとう問題発言をしたのだろう。

 

では、なにに対して「首吊って死ね」と言ったのか。

要約すればこうだ。

吉田議員は図書館が文庫本などの安い本まで入れるから、出版社や本屋が潰れる。それに対してご見解は? と聞く。

すると図書館長が、

同一タイトルは1館につき2冊まで。さいたま市は25巻あるので、上限は50冊。無尽蔵に買うようなことはしておりません。

と答えたところで、

「首○○○死○!」となる。

さらに図書館長は、

文庫本については、今ちょっと手元にある数字ですが、「火花」というベストセラーがあるのですが、これを購入したのは20冊でございます。

で、さらに吉田氏が切れる、という。

 

首吊って死ね、はさすがに公の場の発言に相応しくないが、わたしは氏の見解は正論だと思う。図書館は同一タイトルを買いすぎる。どっかの図書館でハリーポッターを80冊入れた、とか聞いたことがある。図書館は貸本屋ではない。市民のニーズに応えればいいという訳ではないことを、行政も理解すべきである。

 

ただ、わたしは図書館が火花を20冊買ったからといって、民業圧迫にはならないと思う。というのも、図書館が大量に購入するのはベストセラーであって、図書館が100冊買おうが、200冊買おうが、たかがしれている。

それよりも、火花を20冊のせいで、その他19冊が失われていること、こちらの方に問題があると思う。図書館は広く蔵書するべきであり、年中県立図書館まで行くのは正直億劫なのだ。同一図書複数買いがなくなれば、図書館の智は増えるわけであり、その方が図書館の本質を体現すると考えるがいかがであろうか。

 

 

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以下、議事録抜粋。

 

さいたま市議会 文教委員会

 平成30年2月20日(火) 午前10時  第4委員会室 議事録 抜粋

 

吉田一郎委員 公民館なんかは縛りがありますけれども、図書館は誰でも使えるのは便利なようで、でも企業が押さえてしまうとあれですので、その辺をじっくり考えていただきたい。
   さて、次にいきます。
   図書館の蔵書なのですけれども、これは私は市民の代表という立場より、私の本業であります物書きという立場で申し上げます。私も10冊ぐらい著書がありますけれども。本当に図書館がいっぱい置くようになってしまって、本が売れなくなってしまっているのです。高い本はしょうがないです、新書版の2,000円、3,000円のものは。でも安い何百円かの文庫までいっぱい入れるようになってしまうと、非常に本が売れなくなると。これはもう出版社側からもいろんな声が上がっていると思います。さいたま市の場合、新書はいいです、高い本は。文庫のほうはどういうふうな形で入れているのでしょうか。何か基準はあるのでしょうか。入れたいとリクエストを書いたら、無条件で入れてしまうのですか。
        ○西山幸代委員長 中央図書館長
        ◎中央図書館長 図書館の役割といたしまして、幅広くさまざまな資料を収集し、市民の知的欲求に応える、こういうことがまず基本にございます。ですので、文庫ということで、特に考えてございませんで、広く資料は選定をしているところでございます。
        ◆吉田一郎委員 だから問題になっているんです、こういう考えだから。文庫というのは、大体もともと新書で出たわけです。新書で出て、何年かたって文庫になっているわけです。新書は高い。2,000円、3,000円、4,000円する。これはだから買えないから図書館に入れる。これはわかります。これは文句を言うつもりはありません。でも文庫になったやつというのは、500円、600円、700円のやつです。これはせめて買っていただきたいと出版社側は今言っているわけです。
   では、お聞きしますけれども、大体図書館における文庫というのは、蔵書のうち何割ぐらいか。特にこの数年入れた本のうち、何割ぐらいが文庫なのでしょうか。
        ◎中央図書館長 文庫の所蔵資料全部に対しての割合ということですと、平成28年が7.9%でございます。
        ◆吉田一郎委員 それは、この数年のすう勢としてふえていますか、減っていますか。
        ◎中央図書館長 今、手元にあるのが、平成20年度の数値ですと6.7%ですので、1.2%ほどふえてございます。
        ◆吉田一郎委員 ふえているということで、私はこれ本当に日本の出版文化を潰すことになりかねないと思うのです。ただでさえインターネットの普及で、こういった作家、著者は大変なわけです、出版社も。出版社もどんどん潰れている、本屋も。そういった中で、せめて、高い本はこれは当然あっていいわけです、図書館に。一般の人はなかなか買いづらい。そういった資料を置くというのは当然の役割だと思います。でも文庫、手軽に買える本、これはせめて極力気に入った本は買ってもらうようにと。図書館で読むのだったら新書を読んでくださいと。そういうふうなことをもう一回私は思うのですけれども、最後に御見解だけお願いします。
        ◎中央図書館長 先ほども言いましたように、図書館としては、広くそろえているところなのですが、ただ、広くそろえるためにも、文庫本も含めまして、同じタイトルといいますか、一つの本は各図書館で2冊、合計でうちは25館ありますので50冊、これを基本的に上限として購入しているところでございますので、無尽蔵に買うとか、リクエストに応えてたくさんどんどん貸し出すというようなことではございません。
        ◆吉田一郎委員 ◯◯◯◯◯◯◯50冊も買うのか、文庫本で。◯◯◯◯◯◯◯◯今の答弁。日本の出版文化を潰すつもりか、さいたま市の図書館は。
        ◎中央図書館長 文庫本については、今ちょっと手元にある数字ですが、「火花」というベストセラーがあるのですが、これを購入したのは20冊でございます。
       〔何事か言う人あり〕
        ○西山幸代委員長 吉田委員、吉田委員。
   中央図書館長
        ◎中央図書館長 図書館の使命といたしまして、読書をどんどん広めていく。読書層を広げていく。それは出版の人たちであっても、図書館であっても、これは同じ目的でございます。これはともに手を携えて進めていかなくてはいけないことだと考えておりますので、こちらといたしましては、市民からは、何でこんなに本が回ってこないのだという御指摘もいっぱいいただいています。ですから、そこのバランスをとりながら、これからも進めていきたいと思います。
        ◆吉田一郎委員 出版社が潰れて、本を書く人が収入が減って、どうやって出版文化を広めていくのですか。
        ◎中央図書館長 図書館が本をこれだけ貸したから、出版が影響を受けて減ったというような確たるデータがちょっと手元にございませんので、それについてはお答えできません。
        ◆吉田一郎委員 出版社側、出版業界側から声が上がっているではないですか。それは全く把握していないのですか。
        ◎中央図書館長 そういう御意見も一部の出版社から出ているのはわかりますけれども、こちらに直接、例えば出版界から要請があるわけでもないし、確たるそういう資料というのは、こちらでは把握してございません。
        ◆吉田一郎委員 ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯質問を終わりたいと思います。◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
        ○西山幸代委員長 教育委員会に関する吉田委員の質問は、これにて終了でよろしいですか。大丈夫ですか。
       〔何事か言う人あり〕
        ○西山幸代委員長 以上で、吉田一郎委員の教育委員会所管分の質問を終了いたします。