ズボン、トラウザーズ、ボトムス、呼び方は様々であるが、社会の窓はもともとチャックではなくボタンであった。リーバイスの501も昔の面影を残してボタンである。
なぜボタンフライがいいか。わたしは下手くそなギター弾きであるが、ギタリストは右手の爪を伸ばす。先日、GU製のジッパーフライを締めようとして、それがなかなかかたくて、爪を折ってしまった。しかも、本番の数日前だ。当然本番の演奏はぼろぼろである。ボタンフライならば……と悔いたが後の祭りだ。
ズボンはもっとボタンフライが見直されてもいいと思う。確かに、ボタンとジッパー、どちらの方が早く締められるか競えば、それはジッパーに軍配が上がる。しかし、衣服とは速さが全てであろうか。便利が全てであろうか。
落合流、お洒落術からわたしの好きな一文を引用して終わりにしよう。
クラシックなパンツはボタンによって支えられる。(中略)ジッパーはタブーである。ジッパーは、もともと簡易的な開閉を目的に誕生したもので、それ自体締める力を具えていない。パンツを穿くときは、ジッパーを下から上へと引き上げ、フックやボタンでウエストを留める。パンツを支えているのはフックかボタンで、ジッパーは、それを緩慢にアシストしているだけである。
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