Yoshinori Hoshi Official blog

小説家 星香典(ほしよしのり)のブログです。映画、ファッション(メンズフォーマル)、政治、人間関係など、思うところをほぼ毎日更新!

散り花 乙川優三郎 を読んだ

 

 

見事に人間模様を描ききった小説。すが、という14歳の少女が主人公。時代は明治初期だろうか、銚子、漁村、漁師の父親は台風で死亡、幼子&病弱の弟を抱えているという、目も当てられないシチュエーションだ。

すがは海女になるが、大波に殺されそうになる。海女は辞めたい。そこで、小料理屋に勤める。最初は、少しの金でもいいから、という小さな欲が、男と寝るだけでひと月分の給金を稼げたり、そんなことをしているうちに、下駄が欲しい、着物が欲しい、とだんだん欲深い女に変わる。まさに、少女から女へである。

小料理屋の亭主は最初は楽隠居の世話でもさせようとしていたが、自分で稼げるようになったすがを見てそれをやめる。

三人称他視点で、様々な角度から人間の彩模様を浮かび上がらせる。レベルの高い作品だ。

 

これで9巻も終わりである。次は8巻を読もうと思う。