夏目漱石のこころを全部聞いたので、もう一度高橋源一郎の話を聞いてみた。
髙橋氏は最初に、「今日は文学について本気で語る」と言っている。話の内容は夏目漱石の「こころ」である。一回目に聞いたときは、こころの話であって、文学の話ではないのではないと思った。
だが、二回目に聞いたとき、文学の読み方を語っているのだと言うことが分かった。いかなる文学も、書かれた「時期」が存在して、その時期を抜きにして作品だけを取り上げることは不可能であるし、不十分であるということだ。
作品は、その作品が全てだと言うが、作品の内面を探るにしろ、作家のメンタリティ、またメンタリティが生まれる「時期」と切り離すことは不可能である。
時期を考慮して作品を読むというのは、非常に重要なことで、そのことに気がついたのは、百田尚樹の「カエルの楽園」が大きい。
文学と時期とはどういうことか体感したい方は、「こころ」と「カエルの楽園」を読んで、この講座を見ると良いかもしれない。