浅田次郎氏の講座で面白かったのが、傑作はいつ生まれるか分からない、という話。とくに、才能に多くを頼る芸術のような分野では、経験や練習を重ねれば上手いものが出来るというわけではない。
その例として、ミケランジェロのサン・ピエトロのピエタ像をあげる。この像はミケランジェロが25歳の時に完成させた。
この後ミケランジェロは、
『フィレンツェのピエタ』1547年? - 未完成。
『パレストリーナのピエタ』1555年? - 未完成。
『ロンダニーニのピエタ』1559年 - 未完成
と三体のピエタ像を彫ろうとするが、どれもサン・ピエトロのピエタ像には及ばず未完成となってしまう。
浅田氏は、70、80歳になっても25歳の自分に挑戦し続けるミケランジェロはすごい、と言う。故に、過去の自分を未熟なものと軽蔑してはいけない。未来の自分に恥じぬ作品を作らなければいけない。と氏は言う。
さて、わたしの最高傑作はいつ生まれるやら。