生成りの麻のジャケットを手に入れてから、旅行に行くときには必ず持って行っている。周りからは「なんでジャケット着てるの?」と不思議がられるが、一人でジェントルマンのつもりになっているのでご意見は無視している。
なので、いっそのことズボンも同じ生地で作ってスーツにしてしまおうと企んでいる。
夏の大自然の中では、麻という素材が土や風とマッチする。アースカラーであることも大切だ。麻にはアースカラーがよく合う。ただ、ジャケットを着ていて気づいたことがある。
自己啓発本で著名な中谷彰宏氏はお気に入りに食堂にはスーツで行くらしい。それは氏なりの食堂に対する敬意の表し方だという。
不思議なもので、ジャケットを着てちゃんとした格好で森に入ると、木々の輝き、草の甘美な香り、踏む土の柔らかさ、自然の美しさに改めて気づく。それは、わたしが無意識なりに、自然に対して敬意を払っているからなのかもしれない。最初は格好を付けて着ていただけだったが、このことに気づいてからは、そんな意味も込めてジャケットを着用している。
だから、冬の旅行のために、冬に相応しいスーツが欲しい。ツイードにしようか、コーデュロイにしようか、はたまた厚手のコットンにしようか。カシミアは気を遣いそうで旅行に集中できないかな。秋には仕立てたい。